はじめに
Azure はAIに関するサービスも豊富であり、RAGを実装しようにも何から手を付けたらいいかわからない。いきなりコードをゴリゴリ実装するのはハードルが高いため、まずはAzure AI Foundryというノーコードでセッティング開発画面から簡単なRAGを作成していく。
概念図
登場人物
RAG実装に当たり、Azure で作成しなければならないリソースは以下の3つ
- Open AI
ユーザーが送信した質問をAI Searchに橋渡しする、またAI Searchの検索結果をユーザー向けに加工・要約する - AI Search
生の検索データを検索しやすいように加工したインデックスを使って検索処理を行う - ストレージアカウント (Blob Storage)
生の検索データだったり、それから作られたインデックスを保存するためのストレージ
手順1:リソースの作成
①Open AI リソースの作成
Azure ポータル上の「+リソースの作成」からOpen AIを選択
必須項目だけ入力、任意項目は全てスキップして作成する。
②AI Search リソースの作成
Azure ポータル上の「+リソースの作成」からAI Searchを選択
本番運用しないのであれば、価格レベルは必ずBasicにすること!!!!!!!!!!!
なぜならば、デフォルトで選ばれているStandardはBasicよりも3倍の価格なので。
これが従課金制でなく時間料金制のため、24時間触るだけでも1575円 – 472円 = 1103円も多く発生してしまう。(Basicもかなり高いな…)
ちなみにFreeは利用できない。Rest APIなどコードを通してであればアクセスできるかもしれないが、少なくともチャットプレイグラウンド(GUI上)からだと、Freeはサポート対象外という旨のメッセージが表示される。
価格 – Azure AI 検索 | Microsoft Azure
必須項目を価格だけ設定し、任意項目は全てスキップして作成する。
③ストレージアカウント リソースの作成
Azure ポータル上の「+リソースの作成」からストレージアカウントを選択
優先ストレージの種類は「Azure Blob Storage」を選択。
必須項目だけ入力、任意項目は全てスキップして作成する。
手順2:Azure AI Foundryプロジェクトの作成
Azure ポータル上の検索窓で「Azure AI Foundry」で検索し、「create resource」を選択
「新規作成」を押下
高度なオプションからリージョンは「Japan East」に、リソースグループも作成済みのものを選択する
左メニューから「プレイグラウンド」を選択し、「チャットプレイグラウンドを試す」を押下
「+デプロイの作成」をクリックし、利用するモデルを選択する。
おそらく、2025/09/30で最も価格の安いのは「gpt-5-nano」だが、RAG機能に対応していない(データソース追加ボタンが画面上に表示されない)ため、「gpt-4.1-nano」を選択する。
手順3:データソースの追加(RAGの構築)
「+データソースの追加」を押下
種類がたくさん表示されるが、おおむねゴールは同じで、セットアップをAzure ポータルのリソース上で行うか、Azure AI Foundryの画面から行うかの違いしかない。とはいえ、当然Azure ポータル上の方が細かいセットアップができ、Azure AI Foundryはそれができないが、ボタンポチポチだけで簡単にできるメリットがある。
今回は、データ投入も、インデックスの構築もまだなので、ファイルのアップロードを選択する。
- Azure AI 検索
-Azure ポータル上で「BLOBストレージに生データへの投入」「検索用データ(インデックスの構築)が完了」している - Azure Blob Storage
Azure ポータル上で「BLOBストレージに生データへの投入」は済んでいるが「検索用データ(インデックスの構築)」はまだ完了していない(この後の手順で構築する) - URL / Web アドレス,ファイルのアップロード
Azure ポータル上で「BLOBストレージに生データへの投入」も済んでいないし、「検索用データ(インデックスの構築)」も完了していない(この後の手順で構築する)
手順①で作成したBLOBストレージとAI Searchのリソースを選択し「次へ」を押下
(キャプチャ取り忘れた…)
ファイルのアップロード画面で、RAGに利用したいファイルをアップロードする。
検索の種類を「セマンティック」から「キーワード」に変更し、「次へ」を選択
「キーワード」検索は無料だが、「セマンティック」検索は検索の質を上げる一方で、これもまた従課金が発生する。
リソース認証の種類を「API キー」に切り替える。
これでなくてはいけないというワケでなく、「システム割り当てマネージドID」は追加でロール設定をしないとエラーが出てしまうため、手順簡略化のため「API キー」を選ぶ。
手順4:RAGの呼び出し
あとは、Chat GPTやCopilotと同じようにチャットを送信し、アップロードしたファイル中からデータを引用できていればOK
手順5:後処理
Azure AI Search リソースを削除する。
Azure ポータル > Azure AI Search > 作成したリソースを選択して、削除。
1年放置したら、17万円飛びます。10年放置したら170万円飛びます。必ず削除しましょう。