[azure]Azure AI Foundryのグローバル標準デプロイ、データゾーン標準デプロイの違い

はじめに

Azure AI Foundry上でモデルをデプロイするとき、デプロイの種類の選択が求められる。

グローバル標準とデータゾーン標準の違いは何か。

 

グローバル標準デプロイ

Azure AI Foudry上での説明文

Global Standard: 最も高い制限が適用された API 呼び出しあたりの支払。
グローバル展開の種類  の詳細をご覧ください。
データはリソースの Azure 地域の外部でグローバルに処理される可能性がありますが、
データ ストレージは AI リソースの Azure 地域に残ります。データ所在地  の詳細をご覧ください。
Global Standard: Pay per API call with the highest rate limits. Learn more about Global deployment types .
Data might be processed globally, outside of the resource’s Azure geography,
but data storage remains in the AI resource’s Azure geography. Learn more about data residency 

用語の表記揺れについて

Azure 地域データ所在地という2つのワードが使われており、翻訳がうまくできていないのかと思ったが、英語でもAzure geographydata residencyと区別されていた。

公式HP※2におけるAzure geographyは「国単位」を指すが、おそらく、この画面上における説明としては、

リージョン= Azure 地域 = データ所在地 = Azure geography = data residencyでよいと思われる。

Azure geographyの一覧は、※2に、data residencyの一覧は※3に定義あり。

 

デプロイによる挙動について

上記注釈のままであるが、

  • データの保管場所
    デプロイ作成時に指定したリージョン内に保存される
  • AIモデルへの入力、AIモデルからの出力
    全世界のどこかで処理される

(例)データはJapan Eastに保存されるが、処理はJapan East以外で行われる可能性がある。

 

データゾーン標準

Azure AI Foudry上での説明文

Data Zone Standard: API 呼び出しごとに支払い、より高いレート制限が適用されます。データ ゾーンの展開の種類  の詳細をご覧ください。
データは、AI リソースの Azure 地域の外部にある Microsoft 指定のデータ ゾーン内の任意の場所で処理される可能性がありますが、
データ ストレージは AI リソースの Azure 地域に残ります。データ所在地  の詳細をご覧ください。
East US 2 での展開では、US データ ゾーン内のデータが処理されます

この展開で使用される AI リソースは East US 2 にあるため、データ ゾーン標準 展開は US データ ゾーン内のデータを処理します。

Data Zone Standard: Pay per API call with higher rate limits. Learn more about Data Zone deployment types .
Data might be processed anywhere within the Microsoft specified data zone, outside of the AI resource’s Azure geography,
but data storage remains in the AI resource’s Azure geography. Learn more about data residency .

 

用語の表記揺れについて

Azure geographyとは別に、Microsoft 指定のデータ ゾーンというワードが出てきてしまった。

データゾーン標準のリファレンスでは以下のように説明されている。

DataZone というラベルの付いたデプロイの種類の場合、プロンプトと応答は、Microsoft によって定義されている、

指定されたデータ ゾーン内の任意の地域で処理される可能性があります。
米国にある Azure AI Foundry リソースで DataZone デプロイを作成すると、プロンプトと応答は米国内の任意の場所で処理される可能性があります。
欧州連合加盟国にある Azure AI Foundry リソースで 
DataZone デプロイを作成すると、プロンプトと応答は、その加盟国または他の欧州連合加盟国で処理される可能性があります。(※1)

上記説明文より、Microsoft 指定のデータ ゾーンは※2,※3におけるAzure geographyを指しているのだと思われる。

 

デプロイによる挙動について

整理すると

  • データの保管場所
    デプロイ作成時に指定したリージョン内に保存される
  • AIモデルへの入力、AIモデルからの出力
    デプロイ作成時に指定したリージョンの外、かつAzure geography内で処理される可能性がある

(例)データはJapan Eastに保存されるが、処理はJapan Westも含めて行われる可能性がある。
ただし、日本国内で行われることは保証される。

まとめ

グローバル標準デプロイ ⇒ データはリージョン内に保存されるが、外国で処理が行われる可能性あり。

データゾーン標準デプロイ⇒ データ・処理ともに自国内で完結する

 

参考サイト

※1 Azure AI Foundry モデルのデプロイの種類について | Microsoft Learn

※2 Azure リージョンの一覧 | Microsoft Learn

※3 Azure global infrastructure experience