前提
- Microsoft365の課金プランは「Microsoft 365 Business Basic(一番安価)」
- PADは無償版
を利用するものとする。
Power Automate Cloud版
得意なところ
- Microsoft365製品(Teams, Forms, SharePont etc)間のデータのやり取りが容易
- トリガーも豊富に用意されており(○○されたとき)自動的に処理を実行できる
- フローを定期実行できる
- 他システムと連携できるコネクタも用意されている
苦手なところ
- デスクトップ上の操作はできない(Power Automate Premiumの有料ライセンスが必要(毎月¥1,875/ユーザ))
- クラウド版エクセルでのマクロ操作が有料(Microsoft 365 Business Standard以上のライセンスが必要(毎月¥1,560/ユーザ:Basicの2倍)
ライセンスを持っていたとして言語がTypeScriptであるため、非エンジニアがメンテナンスできない。 - 他システム連携は多くがプレミアムコネクタである(Power Automate Premiumの有料ライセンスが必要)
- HTTPコネクタはプレミアムコネクタである(Power Automate Premiumの有料ライセンスが必要)
- コネクタ名や変数が直感ではない感。例えばFor文は「Apply to each」、Sharepointのファイルの取得には「ファイルの取得(プロパティのみ)」という具合
- コネクタが豊富すぎるため、コネクタ検索に時間がかかる。例えば「ファイル」と入力すると、見たことのないような他システムのコネクタがたくさん表示される
- 処理をグルーピングできない。「リージョン」「コメント」のコネクタがない
対象ユーザ
以下に該当する場合はCloud版を使うとよい
- Microsoft365の機能を多用する
- データ加工が必要ない
- 他システム連携が必要ない
Power Automate Desktop(PAD)版
得意なところ
- Windows10のPCがあれば無料で利用できる
- エクセルのマクロが実行できる。コネクタ名や操作感が非常にシンプル
またコネクタ名の下に処理内容が書かれており、非エンジニアにも理解しやすい(と思う) - HTTPのコネクタが利用できる
- Webスクレイピングができる(コネクタの用意がなくても1から実装できる)
苦手なところだけど頑張れば克服できる
- フローの定期実行はできる
PAD版(無償)では定期実行、PCのタスクスケジューラをトリガーにすることで、実現可能 - 他システムとのデータ連携
一括アップロード・ダウンロードの機能が備わっているのであれば、Web操作コネクタにより実現可能
またはHTTP通信のAPIの用意があれば、コネクタ「Webサービスを呼び出します」により実現可能 - Microsoft 365との連携(部分的)
同様に、画面操作によりSharePointやOneDriveとのファイルのやり取りは可能
HTTP通信 × JSONデータでTeamsへの投稿もできるみたい(記事を確認しただけで動作確認はまだ)
苦手なところ
- Microsoft 365、他システムとの複雑な連携
- Microsoft 365上の動作をトリガーにする
対象ユーザ
以下に該当する場合はDesktop版を使うとよい
- Microsoft 365の機能を多用しない
- データ加工をがんがん行う
- Webスクレイピングを行う
まとめ
初めのうちは、どのように使い分けるのかと手探りであったが、触っていくうちに「使い分けざるを得ない」ものであることが分かった。
システム間連携も頻繁に行い、都度データ加工も必要になるのであれば素直に有償ライセンスを取得したほうがよさそう。